手数料は、どこで引かれているのか
利確できたのに、口座の増え方が計算より小さい。取引のコストは、明細に出る手数料と、成立した値段そのものに混ざる分に分かれている。往復で数えて、狙う値幅の隣に置くまでの手順。
利確できた。入った値段と出た値段の差は、注文画面で見たとおりだった。ところが口座の増え方は、その差から計算した額より少し小さい。取引履歴の手数料の欄を見ても、足りない分をぜんぶは説明してくれない。残りは、どこで引かれたのか。
取引のコストは、一か所にまとまっていない。明細に「手数料」として並ぶ分と、成立した値段そのものに混ざって明細に出ない分がある。後者は請求書の形を取らないので、気づかないまま毎回払っている。
明細に出る分と、値段に混ざる分
明細に出るのは、取引所が受け取る率だ。買うときと売るときの2回、成立した金額に対してかかる。率は取引所や口座の条件で変わるので、自分の画面に書いてある数字を見に行く。
値段に混ざる分のひとつが、スプレッドだ。同じ瞬間でも「今すぐ買える値段」と「今すぐ売れる値段」は一致しておらず、少し離れている。買った直後の損益は、その差の分だけマイナスから始まる。
もうひとつがスリッページだ。注文が値段ごとに並んでいる場所(板。ブートキャンプ第1章)で、自分が出した量に対して相手側の注文が足りないと、余った分はさらに先の値段で成立する。並んでいる注文が少ない時間ほど、この差は開く。
往復で数えて、狙う値幅の隣に置く
コストは片道では終わらない。入って出るまでで、取引所の率は2回かかり、スプレッドは往復で1回分になる。スリッページは、注文を出すたびに乗る。ここで数えているのは、すぐ成立する注文で入って出た場合だ。持ち続けている間にかかる費用はまた別の仕組みなので、入りと出だけを見る。
やることは2つある。まず、自分がふだん扱う銘柄と量で、往復にいくらかかるかを一度計算して書き留める。率は画面に書いてある。スプレッドは、板に並んだ一番安い売り注文と一番高い買い注文の差として、その場で読める。スリッページは出す前には分からないので、押したときに見えていた値段と実際に成立した値段の差を、あとから記録に残す。
次に、その額を、狙っている値幅と同じ単位に揃えて隣に並べる。値幅で見るなら値幅、口座に対する割合で見るなら割合。単位が違うまま比べると、「小さい数字だから無視してよい」という結論になりやすい。
狙う幅が小さいほど、往復のコストが占める割合は大きくなる。細かい幅を何度も取りにいく作り方は、その回数だけコストを重ねている。
手数料の欄を見て「安い」と判断する前に、往復で引かれる分を、自分が狙う値幅の隣に書いてみる。
--- ※ この記事は情報提供および学習を目的としたもので、投資助言・勧誘ではありません。取引の判断はご自身の責任でお願いします。
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