ファンディングは、方向ではなく混んでいる側を教える

無期限先物で買い方と売り方がやり取りする資金調達率(ファンディング)。プラスとマイナスが何を意味するのか、そしてそれを入る理由にせず、先に引いたレベルと重ねて使う手順。

数日持っているロングが、ほとんど動いていない。価格は建てたところとほぼ同じなのに、口座の数字だけが少しずつ減っている。取引履歴を開くと、数時間おきに小さな引き落としが並んでいた。損失でもなく、売買のときに取られる手数料でもない。明細には「ファンディング」と書いてある。

暗号資産でよく取引されているのは無期限先物(満期の無い先物。ブートキャンプ第9章)で、これは実際にコインを受け渡す現物の市場とは別の市場だ。別々に動くので、放っておけば現物の価格から離れていく。その離れを埋めるために、買い方と売り方が定期的にお金をやり取りする仕組みが組み込まれている。これが資金調達率(ファンディング)で、受け渡しの間隔は取引所によって違う。

払っている側が、混んでいる側

数字の大きさより先に見るのは向きだ。プラスなら買い方が売り方へ払っている。買いのほうに人が偏っている。マイナスならその逆で、売りのほうに偏っている。

払ってでも持ち続けているということは、その方向に人が溜まっているということでもある。溜まった側は、価格が逆に動いたら決済されてしまう注文を抱えている。自分で置いた損切りもあれば、預けたお金が足りなくなって取引所に強制的に閉じられるものもある。相場が反対に振れ始めると、その決済そのものが次の値動きを押す。買いが混んだ場所から下げが速くなったり、売りが混んだ場所から上げが止まらなくなったりするのは、これが理由になっていることが多い。

混雑は、それだけでは何も起こさない

偏りは何日も続く。買い方が払い続けたまま、価格が上がり続けることもある。だから「プラスが深いから売る」は、混雑を方向の予測に読み替えているだけで、この講座のやり方ではない。順番はいつもと同じで、先にレベルを引く。フィボナッチで引いた戻りの水準や、出来高(どれだけ売買されたか)がいちばん溜まった価格帯(POC)など、自分が普段使っている引き方でいい(ブートキャンプ第2〜3章)。

そのうえで、価格がそのレベルに近づいたときに、初めてファンディングの向きを見る。見るのは一点だけで、そこで捕まりそうなのが払っている側なのかどうかを確かめる。支えのレベルで買おうとしているときに売り方が払い続けているなら、混んだ側がその場所にぶつかることになる。逆に、買い方が払っているところで自分も同じ側で買おうとしているなら、根拠は一つ減ったと考える。

もう一つ、建てる前に確認することがある。いまのファンディングは、自分の側から出ていく向きか、入ってくる向きか。数日以上持つつもりのトレードなら、この向きは口座に効いてくる。

ファンディングは入る理由にはしない。自分が先に引いた場所に価格が来たときだけ開いて、どちらが払っているかを確かめる。

--- ※ この記事は情報提供および学習を目的としたもので、投資助言・勧誘ではありません。取引の判断はご自身の責任でお願いします。

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