チャートを閉じる技術

日足で作った計画を五分足で監視すると、判断まで五分足のものになる。見続けても情報が増えない理由と、注文・アラート・次に見る時刻に仕事を渡す手順。

計画は日足で作った。この帯まで来たら見る、この条件が崩れたら無い、目標はここ。書き終えて注文も置いた。ここまでは静かだった。

崩れるのは、そのあと足を五分に落としてからだ。五分足の中では価格は行ったり来たりする。しばらく見ていると下ヒゲが並んで「効いている」ように見え、また少し見ていると上ヒゲが並んで「もう終わりだ」に見える。日足では、まだ一本のローソクが確定してすらいない。

閉じられないのは、意志が弱いからではない。監視の時間軸が、計画の時間軸を上書きしているからだ。

日足で組んだ計画は、日足の情報量で判断するために作ったものだ。判断材料が一つ増えるのに一日かかる。ところが画面に五分足が出ていれば、材料は五分ごとに更新される。目の前で更新されるものを人は無視できない。結果として、日足で決めた無効化ラインが、五分足の値動きによって先に取り消される。損切りの値段が動くより先に、根拠のほうが動く。

そしてもう一つ。見続けても情報は増えない。増えるのは見た回数だけだ。同じ一本のローソクを三十回見ても、それは一本のままでしかない。にもかかわらず、見た回数が多いほど「これだけ見たのだから、何か分かったはずだ」という感覚が育つ。確信の量だけが、材料の量と無関係に増えていく。

閉じるのは、放置ではない

閉じる技術というのは、我慢の技術ではなく、仕事を渡す技術だ。渡す先は三つある。

注文。逆指値と利確を、見ていなくても働く形で置く。頭の中の「ここまで来たら切る」は、画面を閉じた瞬間に消える。

アラート。見に行く理由を、自分の不安から条件に移す。呼ばれたら開く、呼ばれなければ開かない。開く口実を一つずつ潰していく作業だと考えるといい。

そして、次に見る時刻。日足の計画なら、次に見るのは日足が確定したあとでいい。決めずに閉じると、五分後に開く。

三つを済ませてから閉じれば、閉じている間もポジションは管理されている。逆に、三つが済んでいない状態で画面だけ閉じるのは、ただの放置だ。閉じられないと感じるときは、たいてい意志ではなく、この三つのどれかが欠けている。

閉じる技術とは、閉じても大丈夫な状態を先に作る技術のことだ。

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※ この記事は情報提供および学習を目的としたもので、投資助言・勧誘ではありません。取引の判断はご自身の責任でお願いします。

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