3回続けて当たった後が、いちばん危ない
連勝が証明しているのは型の実力ではなく、同じ環境が続いたこと。基準が下がったことに気づけないまま最も厚い玉が乗る仕組みと、サイズを結果から切り離す手続き。
3連勝の翌日、4つ目の候補を見ている。形は似ている。同じレベル、同じ時間帯、同じ方向。手続きは頭に入っているから確認は速い。速いまま、数量の欄にいつもと違う数字を打ち込む。その数字を選んだ理由を、あとから言葉にできる人は多くない。
危ないのはここだ。相場の側が変わったからではなく、こちらの入力が変わったから。
連勝が記録しているもの
3回当たったという事実は、型の正しさより先に、同じ地合いが3回続いたことを記録している。押しが買われる環境なら、押しを買う型は当たる。当たり続ける。型の実力を評価するには足りない回数でも、環境が継続していることを確認するには十分な回数だ。だから連勝の直後は、「型の信頼度が上がった」瞬間であると同時に、「同じ環境がそろそろ長い」瞬間でもある。後者は誰も口に出さない。
もう一つ、連勝中は見送りの基準が静かに下がる。直近3回のフィードバックがすべて「入って正解」だったのだから、基準は下がる。下がったこと自体には気づけない。そして基準が下がった状態のときに、いちばん厚い玉が乗る。環境が変わるとしたら、その玉が乗った後になりやすい。順番として、そうなる。
連勝を扱う手続き
サイズは勝敗で動かさない。第8章のポジションサイジングを前提にすれば、1回あたりのリスク額は口座残高の関数であって、直近の結果の関数ではない。口座10,000ドルでリスク2%なら200ドル——この200ドルが、3連勝したという理由だけで300ドルになる筋道はどこにもない。増やすなら残高が増えたぶんだけ。「勝ったから」で増やす裁量は、平常時にあらかじめ閉じておく。閉じるのは事前にしかできない。
直前3本の「同じところ」を書き出す。同じレベル、同じ時間帯、同じ方向。3つとも重なるなら、それは3トレードではなく、1つの考えを3回に分けて実行したものに近い。相関の話(ブートキャンプ8-6)は同時に持っている玉だけの問題ではなく、連続して持った玉にも効く。3連勝を独立した3つの成功として数えるかどうかで、次の判断が変わる。
記録には「そのときの環境」の欄を足す。勝ち負けの隣に一言だけでいい。数ヶ月後に読み返したとき、連勝が型の実力だったのか環境の産物だったのかは、その一言の有無で決まる。勝敗だけの記録は、この区別を永久に失う。
連勝は実力の証明としてではなく、環境の記録として先に読む。証明として読むのは、環境が一度変わってからでいい。
---
※ この記事は情報提供および学習を目的としたもので、投資助言・勧誘ではありません。取引の判断はご自身の責任でお願いします。
記事の一覧 | トレード用語集 | NoFOMO Club