勝ち報告に写っていないもの

他人の勝ち報告に写るのは入った値段と出た値段だけで、入る前に決めていたことは写らない。なぜ自分の材料にならないのかと、報告を見たときに確かめる一点を書きます。

入ったあと値段が逆に動いて、切れないまま夜になった。タイムラインを開くと、同じ銘柄で「取れました」という報告が流れてくる。口座の数字のスクリーンショットと、上に長く伸びたローソク足が一本。自分の判断だけが間違っていたように見えてくる。

ただ、その画像に写っているのは終わったあとの結果だけで、写っていないものが二つある。

結果は写るが、判断は写らない

勝ち報告に残るのは、入った値段と、出た値段と、増えた数字だ。残らないのは、入る前にどこを見ていたか、どこまで逆に動いたら「読み違いだった」と認めて降りるつもりだったか、途中で何を考えて持ち続けたかのほうになる。

自分のトレードに持ち帰れるのは、後者だけだ。値段は持ち帰れない。相手が入った価格にはもう戻っていないことが多いし、資金の大きさも違う。見ている足も違う。同じ銘柄の同じ動きでも、日足(1本が1日分のローソク足)を見て入った人と、1時間足を見て入った人とでは、次に何が起きたら降りるかが別になる。「その値段で入った」という情報だけを受け取っても、自分の側で使える形にならない。

引き継げる形になっているのは、見立て、待つ値段、入る合図、無効化ライン(そこを割ったら自分の読みは違ったと認める値段)、利確の目安、という組み立てのほうだ(ブートキャンプ第7章)。報告にそれが書かれていないなら、そこには最初から自分用の材料が無い。

負けた日は投稿されない

もう一つ写らないのは、その人の他のトレードだ。勝った日はスクリーンショットが撮られ、外した日は黙って画面が閉じられる。隠しているというより、人はうまくいったことのほうを話す。

だから、タイムラインに並ぶ勝ち報告の数は、その人が何回入って何回外したかを表していない。こちらに見えているのは、うまくいった回だけを集めた一部だ。一方で、自分の外したトレードは自分が全部見ている。数え方の違うものを並べて、自分の側だけが下手に見えている。

同じ条件で比べられるのは、自分の記録のほうだけだ。記録が手元にあれば、そのときの自分が何を見て入って、どこで降りたかを後から読み返せる(ブートキャンプ第8章)。

報告を見たときにやることを一つに決めておくと、そこで止まらずに済む。「入る前に決めていたことが書いてあるか」だけを確かめる。書いてなければ、読むのをやめて自分のチャートに戻る。書いてあれば、値段ではなく考え方のほうを写して、自分が読める足で同じ線が引けるかを確かめる。引けなければ、それは今の自分の材料ではない。

比べる相手を、他人の口座の数字ではなく、自分が前に書いた記録にする。

--- ※ この記事は情報提供および学習を目的としたもので、投資助言・勧誘ではありません。取引の判断はご自身の責任でお願いします。

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