ニュースは予測に使わない。事後の説明に使う
同じ材料から上がる話も下がる話も作れる。だから見出しは入る理由に使えない。方向の入力ではなく、記録に貼る分類ラベルとして扱うと、検証がはじめて成立する。
夕方、その日の下げの理由を検索する。記事が三本出てくる。三本とも別々の理由を挙げていて、どれも読めば筋が通っている。どれが本当かを決められないまま読み終えて、明日どこを見るかは何も決まっていない。
ニュースはたいてい、こうやって届く。動きが終わったあとに、説明として。
見出しは方向を持たない
一つの材料から、上がる話も下がる話も作れる。金利が下がったという一行は「資金が入る」とも「景気が弱い証拠」とも書ける。規制が固まれば「不確実性が消えた」とも「締め付けの始まり」とも読める。どちらの解釈も、後から出た値動きに合わせて選べる。
説明の在庫は無限にある。動いた後なら、どんな値動きにも必ず物語が付く。結果から逆向きに選べるものは、前向きには使えない。
これが予測の入力に向かない理由でもある。当たり外れが記録できない。「材料が良かったから買った」という判断は、逆に動いたとき「まだ効いていない」と言い直せる。言い直せるものは検証にかけられない。ブートキャンプ第10章の30トレードを集めても、そこにニュース発の判断が混ざっていれば、集計は数字の形をした感想になる。
チャートの根拠には無効化ラインが引ける。ここを抜けたら間違い、と先に言葉にできる。見出しには引けない。何が起きたら「その読みは違った」と認めるのか、先に決まらない。
事後のラベルとして使う
使い道はある。方向としてではなく、分類として。予測に使わないのは見出しの解釈であって、発表の時刻表ではない。何時に何が予定されているかは、事前に確かめられる事実だ。
トレードを閉じたら、記録に一行だけ足す。その時間帯に予定された発表があったか、無かったか。解釈は書かない。「指標発表の直後」「予定なし」——事実だけを置く。
何十本か溜まると、成績が環境で割れているのが見えてくる。荒れた時間にだけ負けが集まっているのか、静かな時間に退屈して手が出ているのか。どちらも自覚からは出てこない。ラベルがあって、はじめて数えられる。
偏りが出たら、負けの集まる時間帯を執行の対象から外すか、外さないなら枚数を半分にする。読みを変えるのではなく、手を出す時間を狭める。
ニュースは、入る理由には向いていない。あの日が何の日だったかを後から名指しする道具としては、代わりがない。
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※ この記事は情報提供および学習を目的としたもので、投資助言・勧誘ではありません。取引の判断はご自身の責任でお願いします。
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