誰かの意見を見る前に、自分の図を書く
他人の図は、間違っているから危ないのではない。自分の図より先に見ると、その線を自力で引けたのかを確かめられなくなる。順番を固定する4つの手続き。
タイムラインに流れてきた1枚の画像。自分と同じ銘柄のチャートに矢印が引いてあり、右上に伸びている。数秒眺めて閉じる。
そのあとで自分の画面を開くと、もう同じ形しか見えない。矢印は写っていないのに、目がその通り道を探している。反対の想定を書こうとしても、書いた瞬間から言い訳のように見える。
見た図は取り消せない。ここが厄介なところで、順番そのものが情報の一部になっている。同じ意見でも、自分の図の前に来たのか後に来たのかで、まったく別のものになる。
他人の図が悪いという話ではない。むしろ逆で、筋の通った図ほど疑いにくい。問題は、その線を自分が自力で引けたのかどうかが、もう永久に確かめられなくなることだ。検証が壊れるのはここからだ。30トレードを集めても、そこに並んでいるのが自分の判断なのか、朝に見た画像の残りなのかを分離できない。改善しようにも、何を改善すればいいのかが分からない。
順番を固定する
見た図が取り消せない以上、この手順は消すためのものではない。自分の図が先に埋まっていれば、後から入ってきた矢印を、消さないまま脇に置ける。
1. 先に書き終える。 バイアス、レベル、トリガー、無効化。ブートキャンプ第9章のプランの型を最後まで埋める。埋まるまでは他人の図を開かない。いちばん危ないのは「途中まで書いた状態」で、そこに他人の結論が入ると、残りの欄がその結論に合わせて埋まる。
2. 方向は脇に置く。 読むときに見るのは、レベルの場所だ。方向が一致していても、根拠にしているレベルが違うなら別のトレードの話をしている。逆に方向が反対でも、同じレベルを見ているなら、それは自分の図の裏取りになる。方向は結論であって、材料ではない。
3. 上書きせず、書き足す。 図を変えるなら「◯◯を見て、無効化を△△へ移した」と一行残す。差分が残っていれば、後から効いたのが自分の図なのか他人の図なのかを数えられる。上書きしてしまうと、最初から自分でそう考えていた気になる。
4. 聞き方を変える。 「どう思う?」は相手に結論を求める質問で、返ってくるのは方向だ。「ここに無効化を置いた。見落としているレベルはあるか」なら、返ってくるのは材料になる。同じ相手から、別の種類の答えが出てくる。
コミュニティを閉じる必要はない。順番を変えるだけでいい。他人の図が本当に役に立つのは、比べる自分の図が先にあるときだけだ。
---
※ この記事は情報提供および学習を目的としたもので、投資助言・勧誘ではありません。取引の判断はご自身の責任でお願いします。
記事の一覧 | トレード用語集 | NoFOMO Club