「サポートが割れた」は、どの足の話なのか

「サポートが割れた」という一文には、どの足の線か、何をもって割れたと呼ぶかが書かれていない。見出しの価格を自分の図でどう扱い、どこまで待つかを整理する。

「サポートが割れた」。相場が下げた日、タイムラインにも記事の見出しにも同じ一文が並ぶ。チャートを開くと、たしかに価格は下にいる。だがその見出しは、どの価格の線が、どの足で、何をもって「割れた」のかを一度も書いていない。

サポートは、過去に何度か下げ止まって買いが出てきた価格帯のことだ。誰かが自分の画面に引いた線であって、市場のどこかに登録されている数字ではない。

その線がどこに来るかは、足で変わる

線は、引く人が選んだ足と、選んだ起点で決まる。5分足の安値をつないだ線と、週足の安値をつないだ線は、同じ銘柄でも別の価格に来る。5分足では実体(ローソク足の太い部分。始値と終値の間)が下に抜けた形でも、日足で見れば下に伸びたヒゲ(細い線)が1本あるだけ、ということが普通に起きる。

見出しは短くするために、その足を落とす。「サポート」とだけ書けば、読んだ人はそれぞれ自分の足の線を思い浮かべる。書き手と読み手が違う線を見ていても、文としては成り立ってしまう。

だから、見出しに出てきた価格を自分のチャートに水平線で引いてみる。自分の図にその線が無ければ、その記事は自分の取引の話ではない。読み物として閉じてよい。

「割れた」は、下に付いたことではない

線があった場合も、下に一度触れたことと、その価格の役割が変わったことは別だ。下げたところで買い手が出てくれば、価格は線の上に戻る。ヒゲはそのとき残る跡で、「その値段まで下げたが、そこで売り切れなかった」という記録として読む(ブートキャンプ第1章「ローソク足の本質」)。

役割が変わったと言えるのは、自分が張る前に決めた足(執行足)で実体が線の下に確定し、そのあと戻ってきた価格が、その線に上から押さえられたときだ。支えていた価格が、こんどは天井として働く(ブートキャンプ第1章「サポート/レジスタンスと転換」)。ここまで見えて、はじめて自分の図を書き換える。

見出しを読んだ日にやることは1つでいい。その価格を線として引き、見る足を1つ決めて、戻ってきたときの振る舞いが出るまで手を止める。抜けた瞬間に入る必要はないし、戻ってこないまま離れていくなら、その日は見送りでいい。

「割れた」かどうかを決めるのは見出しではなく、戻ってきた価格がその線をどちら側から扱うかだ。

--- ※ この記事は情報提供および学習を目的としたもので、投資助言・勧誘ではありません。取引の判断はご自身の責任でお願いします。

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