大口の送金通知で分かるのは、方向ではなく時刻
「◯◯枚が取引所へ」という通知は、コインが移った記録であって、売買が成立した記録ではない。そこから確かに取り出せる一つのものと、それを自分のチャートで見に行く手順。
スマホが鳴る。「大口のウォレット(コインを保管している場所)から取引所へ、◯◯枚が送金」。タイムラインはすぐ「売る準備だ」で埋まり、チャートを開くと、さっきまで買おうと思っていた場所が急に頼りなく見える。
けれどもこの通知が伝えているのは、コインが別の置き場所へ移ったという一点だけだ。移すことと、売り買いが成立すること(約定)は、別の出来事だ。
移動は、約定ではない
コインの送金記録は公開されていて、誰でも見られる。オンチェーンと呼ばれるのはこの記録のことだ。そこに載るのは、いつ、どこからどこへ、いくつ動いたか。理由は載らない。
取引所に入った分が売られるとは限らない。借入の担保として預けただけかもしれないし、取引所が自分の保管先を入れ替えただけかもしれない。「大口」「取引所」といった名札も、多くは外部の推定にすぎない。
そして売られたとしても、送金記録に値段は書かれない。いくらで、どれだけ交換されたかが残るのは、送金の記録ではなく取引所の側だ。
数についても同じことが言える。通知を出す仕組みによっては、取引所が内部で置き場所を入れ替えただけでももう一度鳴る。何度も流れてきて量が積み上がったように見えるとき、実際に動いたのは同じコインだった、ということが起こる。
確かめられるのは、方向ではなく時刻
通知の中に、こちらで検証できるものが一つある。時刻だ。
だから、こう扱う。自分が張るときに見ると決めておいた足(執行足)のチャートを開き、通知の時刻に印を付ける。そのうえで前後の足の出来高(その足の間に売買が成立した量。ブートキャンプ第5章)を見る。周りの足よりはっきり増えていれば、そこで持ち主が実際に入れ替わっている。増えていた足の高値と安値に線を引いておき、価格が次にそこへ戻ったときにどう扱われるかを見る。素通りするのか、止まるのか。そこまで見てから、その値幅を自分の判断材料に加えるかどうかを決める。
出来高が周りと変わらないなら、その送金は、市場が値段を付け替えるほどの取引にはなっていない。話題になった量と、交換された量は別のものだ。
もう一つ。通知を見ても、事前に引いた無効化ライン(そこまで来たら自分の想定が崩れると決めておいた価格。第8章)は動かさない。線を引いた理由は価格の履歴の側にあり、送金の記録はその理由を書き換えない。
大口が動いたかどうかは分からない。その時刻に何が交換されたかは、自分のチャートで見に行ける。
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※ この記事は情報提供および学習を目的としたもので、投資助言・勧誘ではありません。取引の判断はご自身の責任でお願いします。
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