根拠は数ではなく、狭さで数える
「根拠が5つある」は強いプランに見える。だが注文を置くのは1つの価格だ。効き目を決めるのは根拠の数ではなく重なりの幅である理由と、その測り方。
プランにはこう書いてある。日足の水平線、フィボ0.618、週足VWAP、直近レンジのPOC、そしてTD Sequentialの9。根拠は5つ。ここまで揃ったのだから入る、と。
ところが同じ5つを実際にチャートへ出してみると、縦に長く散らばっている。いちばん上の水平線と、いちばん下のPOCの間には、直近の値幅の半分ほどの距離がある。
数えているのは賛成票、置くのは1本の注文
根拠を数えるとき、実際に数えているのは賛成票だ。5票あるから可決、という感覚に近い。だが注文は帯ではなく、1つの価格に置く。5つが縦に散らばっていれば、どこに置いても残りは自分の入った場所の外側にある。
言えるのは「この帯のどこかで反応するかもしれない」までで、「どこで」ではない。すると無効化ラインは帯の外に置くしかなくなる。根拠を1つ足すたびに確信は上がるのに、リスクは1ミリも縮まない。むしろ、増えた根拠が帯のいちばん外側なら、幅は広がっている。
リスクリワードを決めているのは根拠の数ではなく、帯の幅だ。数は感情に効き、幅は口座に効く。数を並べたプランは、自分を納得させるために書かれている。幅を書いたプランは、注文を出すために書かれている。同じ紙に見えて、宛先が違う。
幅の測り方
手続きはそっけない。候補を全部チャートに出し、そのうち価格の幅を持つものだけを残す。水平線・フィボ・VWAP・POCは残るが、TD Sequentialの9のような過熱系は価格の幅を持たないので、この計算には入らない(ブートキャンプ12-5)。残ったレベルのいちばん外側といちばん内側を確かめ、その散らばり幅を、そのトレードで想定していた損切り幅で割る。ブートキャンプ12-5はこの比を収束率と呼び、1/3以下なら合格、1/3〜2/3ならサイズは半分まで、2/3超は棄却と決めている。帯のほうが損切り幅より広ければ、そのプランには実行できるエントリーが存在しない。無効化ラインは帯の外にしか置けず、損切り幅が帯の幅を下回らないからだ。
帯が損切り幅より十分に狭いとき、初めて数を数える意味が出る。順番はこの向きにしか進まない。狭さを先に見る癖がつくだけで、書きかけのプランのいくつかは、エントリーを決める前に消える。消えたぶんは損失ではなく、払わずに済んだコストだ。帯を採点する手順そのものは、同じブートキャンプ12-5の4つの門にまとまっている。
「根拠が5つある」は感想だ。「根拠は3つ、帯の幅は損切りの3分の1」なら設計になる。
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※ この記事は情報提供および学習を目的としたもので、投資助言・勧誘ではありません。取引の判断はご自身の責任でお願いします。
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