損切りは値段ではなく、崩れる条件に置く
「ここまでなら耐えられる」で置いたストップが素通りされる理由。値段から先に決めると条件のほうが書き換わる仕組みと、遠すぎる距離を枚数で直す手順。
注文画面まで来て、指が止まる。エントリーの根拠は揃っている。空いているのはストップの欄だけだ。エントリー価格から少し下、キリのいい数字を入れる。ここまで逆行したら痛い、という距離。埋めて、送信する。
この瞬間に、ストップは相場の話ではなく口座の話になっている。板はこちらの残高を知らない。「これ以上は耐えられない」という距離に線を置いても、その線が価格を止める理由は無い。だから素通りされることがある。抜けた直後に戻ってくることもある。しかも都合で選んだ距離は、たいていキリのいい数字か直近スイングのすぐ外に落ちる。そうした場所にはストップ注文が集まる場合がある。ただし、チャートだけで全員の注文位置や参加者の意図を断定することはできない。
条件で置くとは、値段を決める前に一文を書くことだ。「押し目の起点になったゾーンを、終値で割ったら無い」「この安値を切ったらHLの並びが崩れるので無い」。無効化を判定する条件と、実際の損切り注文の価格は分けて決める。終値で無効化を判定する場合でも、保護のためのストップ注文は別に置く。この順番そのものは、ブートキャンプ8-2で扱う。
条件は、判定の仕方まで含む
一文を書いても、判定の仕方まで書いていなければ、その文は後から緩む。どの足で見るのか、終値なのかヒゲなのか。空欄は、価格が近づいた時点で埋められる。少し逆行すれば「まだ崩れていない」と言い、もう少し逆行すれば「ヒゲは無視していい」と言う。埋まる向きは、いつもこちらに都合がいい。
最初に判断足と条件を書けば、後から変えていないかを確認できる。無効化を終値で判定する場合でも、事前に置いたストップが発動したら足の確定は待たない。発動価格での約定や予定損失内での決済は保証されない。
置いたあとに、動かさない
条件で置くと、距離は自分の都合と無関係に決まる。想定より遠くなることは普通にある。そこでストップを手前に寄せるのは、条件を捨てて値段に戻る動きだ。直すのは線の位置ではない。距離が遠くなったぶん、持つ量を減らす。量を減らしても損失が重すぎるなら、見送るのはそのトレード自体だ。
寄せるのと同じことが、反対側でも起きる。条件が満たされたのに残す判断だ。割った、確定した、それでも「もう少し見る」。無効化の条件が成立したら、事前に決めた決済手順を実行する。実ストップが先に発動した場合も、無効化の終値判定まで保有を続けない。そこから先は、条件の無いポジションを持ち直しているだけになる。
無効化の条件は見立てを判定するために書き、ストップ注文は損失を抑えるために置く。二つの役割を混ぜない。
※ この記事は情報提供および学習を目的としたもので、投資助言・勧誘ではありません。取引の判断はご自身の責任でお願いします。
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