損切りは値段ではなく、崩れる条件に置く

「ここまでなら耐えられる」で置いたストップが素通りされる理由。値段から先に決めると条件のほうが書き換わる仕組みと、遠すぎる距離を枚数で直す手順。

注文画面まで来て、指が止まる。エントリーの根拠は揃っている。空いているのはストップの欄だけだ。建値から少し下、キリのいい数字を入れる。ここまで逆行したら痛い、という距離。埋めて、送信する。

この瞬間に、ストップは相場の話ではなく口座の話になっている。板はこちらの残高を知らない。「これ以上は耐えられない」という距離に線を置いても、その線が価格を止める理由は無い。だから素通りされることがある。抜けた直後に戻ってくることもある。しかも都合で選んだ距離は、たいていキリのいい数字か直近スイングのすぐ外に落ちる。そこは全員のストップが積み上がる場所で、ブートキャンプ12-4は「ストップの巣」と呼び、突きに行く動機を持つ参加者が常にいると説明している。誰も見ていない場所ではない。狩られたのではなく、狩りやすい場所へ自分から置いた、が正しい。

条件で置くとは、値段を決める前に一文を書くことだ。「押し目の起点になった帯を、終値で割ったら無い」「この安値を切ったらHLの並びが崩れるので無い」。文が先にあれば、値段はその文を注文に翻訳した結果として決まる。この順番そのものは、ブートキャンプ8-2で扱う。

条件は、判定の仕方まで含む

一文を書いても、判定の仕方まで書いていなければ、その文は後から緩む。どの足で見るのか、終値なのかヒゲなのか。空欄は、価格が近づいた時点で埋められる。少し逆行すれば「まだ崩れていない」と言い、もう少し逆行すれば「ヒゲは無視していい」と言う。埋まる向きは、いつもこちらに都合がいい。

最初に書いておけば、この上書きは起きない。埋める空欄が、もう残っていないからだ。ヒゲで抜けても足が確定するまで待つ、と先に決めた人は、待っている間に迷わない。決めていない人は、毎秒決め直している。

置いたあとに、動かさない

条件で置くと、距離は自分の都合と無関係に決まる。想定より遠くなることは普通にある。そこでストップを手前に寄せるのは、条件を捨てて値段に戻る動きだ。直すのは線の位置ではない。距離が遠くなったぶん、持つ量を減らす。量を減らしても損失が重すぎるなら、見送るのはそのトレード自体だ。

寄せるのと同じことが、反対側でも起きる。条件が満たされたのに残す判断だ。割った、確定した、それでも「もう少し見る」。条件で置いたストップは、満たされた時点で仕事を終える。そこから先は、条件の無いポジションを持ち直しているだけになる。

ストップは、耐えられる損失の上限ではない。見立てが死んだことを、自分より先に知らせる装置だ。

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※ この記事は情報提供および学習を目的としたもので、投資助言・勧誘ではありません。取引の判断はご自身の責任でお願いします。

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