インジケーターを1つ消すたびに、判断が速くなる

インジケーターを減らすと判断が速くなる理由と、1本ずつに投げる質問。何を残して何を消すかを、好みではなく手続きで決めるための記事。

チャートに7本のインジケーターが乗っている。エントリー条件は「全部が同じ向きを指したら」。待っているあいだに価格は走り、揃ったころには入る場所が残っていない。あるいは6本が同じ向きで1本だけ反対を向いていたので見送った——その1本が何を測っているか、説明できないまま。

増えているのは情報ではなく、承認者の数

画面に並ぶものの多くは、同じ価格の列を別の式で均したものだ。移動平均もオシレーターも、入力は終値であり出来高であり、要するに同じ証言を言い直している。独立した証拠を3つ集めたつもりで、1人の証人に3回同じ話をさせていることがある。確信は増える。情報は増えていない。

しかも均す処理には必ず遅れが入る。遅れの大きさは道具ごとに違うから、全員の同意を待つ判断は、いちばん遅い1本の速度に揃う。

数が増えると、もう一つ厄介なことが起きる。「入る理由」も「見送る理由」も、常にどこかに存在するようになる。7本あれば、どんな場面でも賛成派と反対派を作れてしまう。そうなると道具は判断を助けず、後から気分を正当化するための材料置き場になる。

消す基準は、好みではなく質問

減らし方は「使わないものを消す」ではない。1本ずつ、こう聞く。

これが反対を向いたら、この場面を見送るか。

即答でイエスにならないものは消す。見送りに影響しないなら、それは判断に参加していない。眺めているだけのものが画面にあると、判断は毎回そこを通過してから出てくることになる。

次に、残ったもの同士を見比べる。入力が同じものが2つあるなら、遅い方を消す。遅い方は目分量では決まらない。過去の同じ区間で、2本それぞれが向きを変えた足に印を付け、直近の転換10回を数える。後の足で変わった回数が多い方が遅い。差が1回以内なら、この数え方では優劣が付かない。どちらでもいい、ではなく、この物差しでは決まらないというだけだ。最後に、残した1本ずつに役割を1つだけ割り当てる。場所を決めるもの、タイミングを決めるもの、規模を決めるもの——役割が重なったら片方は要らない。

消したあとはそのまま運用して、ジャーナルに残す(ブートキャンプ10-2)。判断が雑になったのか、速くなっただけなのかは、記憶ではなく記録でしか分からない。ただし1週間の数本では決まらない。この講座が判定の単位に置いているのは同じ型で30トレードで、集め方はブートキャンプ10-4にある。戻したくなったら戻せばいい。消すことは情報を捨てることではなく、決める人間を1人に戻すことだ。

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※ この記事は情報提供および学習を目的としたもので、投資助言・勧誘ではありません。取引の判断はご自身の責任でお願いします。

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