同じ形でも、出た場所で意味が変わる

同じピンバーでも、価格が届く前から線が引いてあった場所か、何もない場所かで意味が変わる。ローソク足の形が言えることの範囲と、場所から形へと順番を固定する3つの手順。

銘柄の一覧をスクロールしていて、下ヒゲの長い足を見つける。安値まで刺さってから戻された跡が、細い線になって下に伸びている。教科書で見たままの形だ。買いの合図として覚えている。だが、その足の周りに、価格が来る前から引いてあった線は1本もない。形が先に目に入り、場所はこれから探すことになる。

ローソク足1本は、その時間に買いと売りがどう戦ったかの記録だ(ブートキャンプ2-1)。長いヒゲは、行った先で押し返された跡を示す。ピンバーという名前は、その跡が足全体(高値から安値まで)の2/3以上を占める形に付いている(ブートキャンプ2-6)。

形は「押し返された」までしか言わない

押し返しがあったこと自体は、事実として残る。だが、押し返したのが誰なのか、その値段に次に来たときも同じ側が出てくるのかは、形の中に書かれていない。1本の足が答えるのは、この時間はどちらが勝ったか、そこまでだ。

だから同じ形でも、意味は周りが決める。価格が届く前から引いてあった水準の上で出たなら、その値段を守る理由を持った参加者がいたことの確認になる。何もない場所で出たなら、その時間だけ動きが止まった記録にとどまる。値動きが同じ幅を行き来しているだけの区間なら、同じ形は1日に何本も出る。数が多いから弱いのではない。守る理由を持った側がいないので、次の足で同じことが起きる根拠がどこにもない。

場所は、価格が来る前にしか引けない

形を先に見つけると、場所は後から作られる。近くにあった線が、そのとき初めて「効いている線」に格上げされる。手順としては向きが逆で、順番は場所から形へしか進まない。

やることは3つある。ひとつ、張る前に場所を書く。日足や週足のような自分の足より長い足(上位足)の高値・安値、週や月の最初についた値段、直近の値幅を比率で割った目盛り(フィボナッチ)——価格の幅を持つものを、届く前に引いておく(ブートキャンプ第4章)。ふたつ、届いたときに見る足を1つ決める(執行足)。自分がいちばん読める足でよく、決めたらトレード中は変えない。みっつ、価格がその場所に届いてから、その足が1本閉じるのを待って形を判定する。

場所の上で出た形は、入り口を教えるだけで終わらない。買いなら、その足の安値が、見方が違っていたと認める価格の材料になる。何もない場所で出た形には、その材料も残らない。線が無いのだから、どこまで下げたら間違いなのかを、後から気分で決めることになる。

場所に届いていないなら、形がどれだけ良く見えても見送る。見送りは失敗ではなく、順番を守った結果だ。

チャートを開いたら、形から探さない。先に場所を書き出して、そこへ価格が来るまで形は見ない。

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※ この記事は情報提供および学習を目的としたもので、投資助言・勧誘ではありません。取引の判断はご自身の責任でお願いします。

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