到達したら入る、ではなく、到達してから何を見るか
引いておいた線に価格が届いた瞬間、そこはまだ入る合図ではない。どう届いたかを直前の数本で確かめ、決めた足が閉じるまでに何を見るのかを整理する。
スマホが鳴る。何日も前に引いておいた線(過去に何度も価格が止まった値段の高さ)に、いま届いたという通知だ。指はもう注文ボタンの上にある。待った時間が長いほど、届いた瞬間に「来た」と感じる。
けれど、届いたという事実そのものは、まだ何も語っていない。線は「ここで反応するかもしれない」と自分が決めた場所であって、市場がそこで止まると約束した場所ではない。到達は、入る合図ではなく、見はじめる合図だ。
どう届いたかを、直前の数本で確かめる
同じ値段に届いても、来かたが違えば見え方は変わる。
長いローソク足が一本立って、一気に落ちてきたのか。それとも、途中で何度も止まりながら、少しずつ下げてきたのか。前者は、途中の値段で売りを受け止めた人が少なかったということで、その勢いは線の手前で止まる理由をまだ持っていない。後者は、下げてくる道の途中で何度も反対の力とぶつかっている。
減速は、足が短くなる、下ヒゲ(ローソク足の下に伸びる細い線)が目立ちはじめる、同じ値段の近くで数本もたつく、といった形で出る。線の手前で速度が落ちているかどうかは、届く前の数本にもう書かれている。だから通知が鳴ったら、値段より先に直前の数本を見る。一直線に来ているなら、届いたことは、まだ止まる理由になっていない。
反応が形になるまで、決めた足で待つ
線に触れた直後の短い時間、価格はどちらにも動く。「反応した」と言えるのは、判断に使う足(執行足)が一本閉じて(その時間が終わって、足の形が確定して)、線を割らずに終わったときだ。たとえば、ヒゲが足全体の3分の2以上を占める足(ローソク足の読み方はブートキャンプ第1章)が線の上で閉じれば、その値段を拒んだ跡が形として残る。上に引いた線でも見るものは同じで、向きが反対になるだけだ。
この足は、注文を出す前に自分で1つ決めて、その取引の間は変えない。1時間足で待つと決めたなら、入るのも損切りするのも1時間足で判断する。届いた直後に5分足へ切り替えると、待つと決めていた時間そのものが消える。
閉じた足が何も示さなかったら、その回は見送る。線が効かなかったのではなく、まだ何も起きていないだけだ。到達は結論ではなく候補で、候補は確認を通ってから注文に進む(ブートキャンプ第4章)。
見るものは、鳴ってから決めない。線を引いた時点で「届いたら、直前の数本と、決めた足の終わり方を見る」と一文で書いておく。鳴ってから決めると、たいてい見たいものだけが見える。
通知が鳴ったら、注文ボタンではなく、その一文に書いたものを見る。
--- ※ この記事は情報提供および学習を目的としたもので、投資助言・勧誘ではありません。取引の判断はご自身の責任でお願いします。
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