「割ったらやめる」を、入る前に価格の数字にする

入る前に決めた「ここを割ったらやめる」は、持った後で少しずつ甘くなる。言葉を1つの価格に変え、注文として外に置くまでを、入る前に済ませる手順。

買うと決めてから注文を出すまでの数秒、頭の中では「ここを割ったらやめる」まで決まっている。割る場所も見えている。数字はどこにも書いていないが、覚えているから問題ないと思う。

問題が出るのはその後だ。ポジションを持つと、同じ安値が違って見える。「割った」の中身が、入る前より少しずつ甘くなっていく。まだ一瞬下回っただけだ、足がまだ終わっていない、と条件が増えていく。増えた条件は嘘ではない。ただ、それを思いついたのが入った後だという一点だけが違う。

言葉は、入った後の自分に判断を渡してしまう

「直近の安値を割ったらやめる」は、入る前なら十分に具体的に聞こえる。ところが値段が実際にそこへ近づくと、この言葉のほうが判断を要求してくる。どの安値のことか。一瞬下回るだけでやめるのか、足が終わった時点で下にいたらやめるのか。そして、その判断をしているのは、もうポジションを持っている自分だ。

だから入る前に、言葉を価格に変えておく。「いくらを下回ったらやめる」という、1つの数字まで落とす。幅を持たせて考えているなら、上と下の2つを書く。価格に変えてしまえば、そこへ近づいたときに問いは残らない。届いたか、届いていないかだけになる。数字にできないなら、その言葉はまだ言葉のままで、条件として使えない。

数字が出るかどうかが、そのまま検査になる

前提が崩れたと認める条件と価格(無効化ライン、ブートキャンプ第8章)を決め、その外側に実ストップの価格を別に決める。数量計算に使うのは、エントリーから実ストップまでの値幅と費用だ。値幅が出れば、1回のトレードで許せる損失額(同じく第8章)から、持てる量(枚数)が逆算できる。

この順番が途中で止まるときは、たいてい「どこが崩れたら間違いなのか」がまだ決まっていない。腕の問題ではなく、そのチャートがまだ読めていないというだけなので、その1回は見送る。

数字が出たら、頭の中ではなく注文として置く。ストップマーケット注文は、指定した参照価格が発動条件に達したら成行注文を出す。発動価格での約定や全量の即時約定は保証されない。エントリー時に保護注文を設定し、発動後は残ポジションを確認する。ノートは注文の代わりにならない。保護注文を置けず、監視・決済の実行条件も満たせない場合は見送る。書いた数字を動かしてよいのは、利益の方向へ寄せるときだけにする。

入る前に、やめる価格を1つ書く。書けなければ、その1回は入らない。


※ この記事は情報提供および学習を目的としたもので、投資助言・勧誘ではありません。取引の判断はご自身の責任でお願いします。

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