過去チャートの練習に混ざってしまうもの
過去チャートを開くと、その後の値動きまで一緒に見えている。答えを知った状態で引く線がどう変わるのか、右端を止めて1本ずつ進める練習の作り方。
週末、過去のチャートを開く。大きく動いた日の手前まで戻して、あの下げの底を確かめる。そこから伸びていく足を見ながら、「ここで買って、ここで利確」と線を引く。手順は筋が通っていて、練習になった気がする。
けれどこの画面には、実際に注文を出すときには無いものが映っている。チャートの右側、つまりその後の値動きだ。
答えを見たあとの線は、答えに合うように引かれる
後から開くチャートでは、どこが底だったかを知った状態で線を引くことになる。線の起点も、水平線(過去に反応した値段に横向きに引く線)の位置も、いくつもある候補のうち「その後の動きに合ったもの」だけが自然に見える。合わなかった候補は、目に入らないまま消えていく。
同じ場面を、底を知らないまま見ていたらどうだったか。線はもう少し手前にも引けたし、そもそも引かずに通り過ぎていたかもしれない。当時その場に座っていたら、右側は白紙で、候補は全部残っていた。
だから、過去チャートを眺めて出てくる「読めた」という感触は、読む力ではなく、答えを知っていることの手応えかもしれない。そして答えを知った状態で何度なぞっても、右側が白紙のときに何をするかは決まらないままだ。
右端を止めて、進める前に書く
練習のやり方のほうを変える。多くのチャートツールには、過去の好きな時点まで戻して、ローソク足を1本ずつ進められる機能(リプレイ、バー・リプレイなどと呼ばれる)がある。そこで右端を止めれば、その後の値動きは隠れる。
足を進める前に、これから何をするのかを言葉にして残す。どの値段まで来たら注文を出すのか。その考えが違っていたと分かるのはどの値段か。今は何もしないのなら、何を待っているのか。書いてから、1本進める。
残す先はメモでも会員ページのジャーナルでもいい。大事なのは形に残ることで、頭の中で思っただけのものは、値段が動いたあとに都合よく書き換わる。
1本のローソク足が表す時間の幅(15分足、4時間足など)は、実際の判断に使うものと同じにしておく。練習のときだけ細かくすると、本番では手元に無い情報が混ざる。
見るのは、当たったかどうかではない。書いた内容と、実際に起きたことのどこがズレたかだ。待つと決めた値段まで来なかったのか。来たのに、書いていない理由で入ってしまったのか。何回分かためて読み返すと、同じズレが繰り返し出てくる。それが次に直す場所になる。
練習の記録は、勝ち負けではなく、進める前に書けたかどうかで付ける。
--- ※ この記事は情報提供および学習を目的としたもので、投資助言・勧誘ではありません。取引の判断はご自身の責任でお願いします。
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