リスクリワードは、手数料を引いてから測る

損切りまで値幅1%・利確まで2%で1:2のつもりでも、手数料と滑りを入れると比は下がる。コストを利確から引き、損切りに足してから、見送るかを決める手順。

損切りまでの値幅1%、利確までの値幅2%で計画を立てる。どちらも価格の値動きの幅で、口座に対する割合ではない(数字はすべて例)。比は1:2のつもりで、成行で入り、成行で出る。

そこへ手数料と、スプレッドと、滑りを入れて計算し直す。手数料が片道0.05%なら、入りと出で0.10%。スプレッドが0.02%で、成行で入って出ると往復で1回ぶん払う。滑りが片道0.04%なら、往復で0.08%。合わせて0.20%が、利確でも損切りでも出ていく。利確で手元に残るのは1.8%、損切りで失うのは1.2%になる。1.8÷1.2で、比は1:1.5だった。

リスクリワードは、損切りまでの距離と利確までの距離の比だ。スプレッドは買える値段と売れる値段の差、滑りは並んでいる注文が足りずに、見ていた値段より不利なところで約定する分をいう。この例は資金調達の精算時刻を跨がない前提で、ファンディングを入れていない。短時間でも精算時刻を跨げば発生しうる。値幅は同じ基準価格で測り、実約定価格に含まれるスプレッドや滑りを二重に足さない。

コストは、利確から引かれ、損切りには足される

コストは4つある。手数料、スプレッド、滑り、ファンディングだ。ファンディングは、無期限先物でロングとショートのあいだを定期的に行き来する支払いで、払う側に回ると、持つ時間が長いほど積み上がる。コストの%はポジションの総額(価格×数量)に対する割合なので、値幅の%とそのまま足し引きできる。

この例では費用を支払いとして見積もる。実際のファンディングは受け取る場合もある。だから利確の側では手にする分を減らし、損切りの側では失う分を増やす。両側から効くので、正の費用を加えた比は、費用を除いた比より悪くなる。上の例で利確の側からだけ引けば、1.8÷1で1:1.8になり、まだ1:2に近く見える。損切りの側にも足して、初めて1:1.5が出てくる。

手数料の料率は、注文の出し方でも変わる。板に注文を残して流動性を提供する側をメイカー、既存注文と即時成立する側をテイカーという。指値でも即時成立すればテイカーになる。料率は取引所の仕様で確認し、指値には未約定の可能性も見込む。

入る前に、コストを引いた比で見送るかを決める

本講座では、型の記録が200回未満なら最終目標までの実効RRが1:3を超える候補、経験者は1:2を超える候補を対象とする。ブートキャンプ第1章は、その比をコストを入れたあとで測る。額面でちょうど1:2のトレードは、コストを引けば下限を割る。

計算は、注文を出す前の1行で済む。利確までの値幅からコストを引き、損切りまでの値幅にコストを足して、割る。利確と損切りで決済の注文の出し方が違うときは、どちらに先に届くか分からないので、コストが高いほうで見積もる。トレードを集めて自分のやり方を確かめる検証でも、記録するのはこの比だ。記録の形は、[早見表「検証と記録」(プロプラン)](/sheets/verify)で確かめられる。

使っている取引所の手数料のページを開き、メイカーとテイカーの料率を書き写しておくと、この1行はすぐに書けるようになる。


※ この記事は情報提供および学習を目的としたもので、投資助言・勧誘ではありません。取引の判断はご自身の責任でお願いします。

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